パレートの法則

パレートの法則とは?使い方や262の法則との違いなどをわかりやすく説明

読み取り時間 : 約11分

トピック :

  • 組織と評価
  • 戦略計画

ほとんどのビジネスリーダーは、継続的な改善に対して前向きであることが成功の鍵であることを理解しています。しかし、問題は、一般的に人は変化に抵抗したがるものだという点です。研究を見てみますと、サルは人間よりもプロセスの変化を受け入れやすいことがわかっています。

私たちは、「コンフォートゾーン」にとどまる傾向があります。いつもと同じ方法で物事を行うことにより、私たちは安全で環境をコントロールできていると感じます。しかし、ビジネスリーダーがコンフォートゾーンに囚われてしまうと、現状に満足し、機会を逃し、間違いを繰り返し、顧客の不満を招く可能性があります。

そこで役立つのがパレートの法則です。

パレートの法則とは?

19世紀後半、イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートは、イタリア国内の富の分配について研究する中で、国の土地の約80%が人口の20%により所有されていることに気づきました。

この気づきは後に、「80対/20の法則」としても知られるパレートの法則の発見につながりました。パレートの法則では、結果の重要な部分は、全体を構成するうちの少数の要素によりもたらされていると結論づけられています。

1940年代なると、ジョセフ・M・ジュランがこの法則を事業運営の品質管理に適用すると同時に、問題の約80%は考えられる原因の約20%から生じているという理論を立てました。これは、要素のごく一部にのみ焦点を当て、優先順位を付けることで、少ない作業でより多くのことを達成できることを表しています。

パレートの法則の使い方

パレートの法則の導入に成功すると、効率性や生産性が向上し、全体的により適切な意思決定を行うことができます。ここでは、パレートの法則をほぼあらゆる状況に適用するのに役立つ推奨手順をいくつか紹介します。

  1. 重要な要素を特定する
    たとえば、求めている成果や結果に影響を与えるプロセス、プロダクト、顧客、プロジェクト、タスク、または問題などがこれに該当します。
  2. 各要素による影響または貢献度を分析する
    これらの要素が全体的な結果にどのような影響を与えるかを見極めます。たとえば、どれくらいの費用がかかるか?どれくらい時間がかかるか?どれくらいのリソースが必要か?などを検討します。
  3. 少数の重要な要素に焦点を当てる
    80対20の法則では、全要素の20%が確実に結果の80%をもたらすとは限らないため、ジョセフ・ジュランは「少数の重要な要素」や「多数の些細な要素」(あるいは「多数の有用な要素」)という言葉を好んで使いました。貴社がすべきことは、結果の大部分をもたらしている重要な少数要素や原因を特定することです。
  4. タスクとプロジェクトに優先順位を付ける
    少数の重要なタスクが優先されるように、プロジェクトとタスクの割り当てを計画します。最も影響力のあるタスクに集中すると、より良い結果が得られます。
  5. 多数の些細な要素を排除または委任する
    結果への影響が少ない要素を特定します。可能であれば、これらの要素に取り組む時間のある人にこれらの要素を委任するか、作業を自動化して、少数の重要な要素にリソースを割り当てられるようにします。
  6. 必要に応じて確認と調整を行う
    要素と結果の分布は時間の経過とともに変化する可能性があります。また、最も大きな影響を与える要素も変化する可能性があります。データを定期的に確認して、適切な要素に焦点を当てているかどうかを判断し、必要に応じて変更を加える必要があります。これは、効率性と効果を継続的に向上させるのに役立ちます。

パレートの法則と262の法則の違い

パレートの法則は、全体の結果の80%が、20%の要素によってもたらされるという考え方に基づいていますが、262の法則は、売上や利益の貢献度がさらに細分化され、次のように述べられます。「売上の60%が20%の顧客から、残りの20%が80%の顧客から生まれる」というものです。

要するに、パレートの法則はあらゆる分野における広範な成果分布を示すのに対して、262の法則は特に顧客の貢献に焦点を当てています。どちらも「少数の重要な要素が大部分の結果を生む」という点で共通していますが、262の法則はより顧客中心で、特定のビジネス戦略に活かすことができます。

ビジネスで見るパレートの法則の身近な例

パレートの法則は、ほとんどすべての状況で適用可能です。以下に例を示します。

プロジェクト管理

プロジェクトの価値の約80%は、開発チームが投入した最初の20%の労力によりもたらされます。これを理解すると、より多くの時間をテストと品質保証に費やすことができます。さらに、他の方法では無視される可能性がある、プロジェクトにとって重要な他の要素を特定することも可能になります。

リソース管理

作業の大部分を完了するのは、チーム内のごく少数のメンバーです。この法則は、パフォーマンス・ギャップを特定し、スキルセットに基づいてリソースをどこに割り当てるかを決定するのに役立ちます。また、より多くのトレーニングが必要なエリアを理解したり、人事上の決定を下したりするのにも役立ちます。

ソフトウェア開発

さらに、お客様の約80%がソフトウェアの全機能のうち20%しか使用していないことに気づくかもしれません。多くの人は「極めて高度な機能」や複雑なインターフェースの使い方を学ぶのに時間を割きたくありません。そのため、チームは、お客様にとって最も重要な機能の価値を向上させることに重点を置くとよいでしょう。

セールスとマーケティング

貴社の売上のほとんども、提供している製品の一部から来ていないでしょうか?お客様に一番求められている製品に取り組むことができるようにリソースを解放するため、特定の製品の製造を中止することも検討してみましょう。

パレートの法則のメリットとデメリット

パレートの法則をさまざまな状況に適用する際には、メリットとデメリットがあります。それぞれの特性を理解し、効果的に活用することが重要です。

メリット

  • 重要な要素に集中できる
    パレートの法則は、求めている結果に最も影響を与える少数の重要な要素を特定し、それに焦点を当てる手助けになります。これにより、限られたリソースを最も効果的に活用することができます。

  • 効率的なリソース配分
    少数の重要な要素に集中することで、効率的にリソースを配分できます。これにより、影響が少ない作業やリソースを無駄に費やすリスクが減り、全体の成果を最大化できます。

  • 問題解決に役立つ
    パレートの法則を適用することで、最も注意が必要な領域を特定しやすくなります。これにより、効率的な解決策を見つけるための道筋がクリアになり、問題解決がスムーズになります。

デメリット

  • 他の有用な要素が無視される可能性
    少数の重要な要素に焦点を当てることで、全体の結果に依然として影響を与えるその他の有用な要素が見落とされることがあります。これにより、全体のバランスが欠けるリスクが生じます。

  • 必ずしも80%の成果が得られるわけではない
    「20%の努力で80%の成果」という法則はあくまで目安であり、常にその通りになるわけではありません。状況によっては、さらに多くの努力やリソースが必要となる場合もあります。

  • 過信によるリスク
    パレートの法則に頼りすぎると、潜在的なチャレンジや新たな機会を見逃す恐れがあります。重要な要素に焦点を当てすぎるあまり、他の要素をおろそかにすることは、長期的には不利に働く可能性もあります。

パレートの法則を効果的に活用するために

パレートの法則を効果的に適用するには、単に「20%の努力で80%の成果が得られる」と過信せず、あくまでガイドラインとして活用することが重要です。全ての影響力のある要素が必ずしも20%に収束するわけではなく、その適用には柔軟性が求められます。

また、パレートの法則を使う際には、特定の状況に応じてデータ収集と分析を徹底することが大切です。適用するユースケースが法則に適合しているかを確認し、その上で最適な方法を選択することが成功の鍵となります。

パレートの法則

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